81年 菊千代と不二夫 (C)asahi.com
自分がコドモだった頃の何気ない日常生活の中で、気が付けばすぐそばにいつもいるような感じ。ギャグとしては当たり前のように影響を受けていて、そして学校の教科書とは別の教科書とも言える著作の数々。
あまりにも自分の記憶の中の大きなシェアを占めている氏について、大人になった今、あらたまって“赤塚先生”なんて書くのが照れくさいくらい身近な存在だった気がします。
タリラリラーン
小学2年生くらいの頃に、小学館から出ていた入門シリーズの「マンガ入門」を手に入れたこともよく憶えてます。たしか監修は赤塚不二夫だった。いや、挿絵を担当していただけだったのかもしれないが、当時、読んでいると赤塚不二夫にアドバイスされていた気分になっていた記憶は、かすかだがしっかりと残っています。
書いてて思い出したけど、この入門シリーズ「野球入門」やら「将棋入門」まで、いろんなの持っていました。特に巳年世代・昭和40年男・女の方々。友達の家に行ってもこのシリーズが何冊か机に並んでいたりしたものです。表紙・背表紙の装丁、とても印象に残ってて、そうそう、甲子園のマウンドに立ったことが自慢の叔父さんが、「野球入門」ぢゃなく「スケート入門」をくれたことも印象深い出来事として深く脳裏に刻まれています。
それにしても、最近のコドモたちに比べてワシら巳年世代は、何気にいろんな趣味にすぐ首を突っ込んでいた気がします。当時の小学生、好奇心旺盛過ぎ。野球から釣り、ラジオ作り、漫画描いたり、鉄道だったり、切手だったり…ふれ幅も広い!
ZICCA NOW http://wonder.pepper.jp/2013/01/01/zicca-now-2/
でも、そんな時代、いつも赤塚ギャグが傍にありました。共通言語だったのか、仲間意識を高めるためのある種のツールだったのか? なんて言えばいいのかわからないけど、赤塚ギャグで同世代が繋がっていたのだ。今風に言うと「共有感」ってやつかもしれない。
それは、他校の連中と一緒になるような地元の水泳教室や、ボーイスカウト的なアウトドアイベント、少年野球、その他もろもろの習い事などの場で顕著に感じられたものでした。
まったく別のエリアの小学生同士が最初はけん制しあいながらも、赤塚ギャグでお互いの心が繋がっていくのです。
赤塚不二夫が病床に臥すようになる少し前の頃だろうか、当時の仕事仲間で編集部の同僚であり、今会えば「戦友だった」と言ってくる某氏(氏なんて呼び方はとても似合わない男だが)が、モノクロページの企画で赤塚不二夫を訪ねてインタビューした。 ※追記 イノマーのことですな。R.I.P.
お酒は完全に止められる程身体の具合もよろしくなく、普段から杖をついて歩く状態だったというが、マネージャーだか娘さんだか(前妻だか本妻)が部屋から出て、取材チームと赤塚不二夫だけになったとたん、その杖の持ち手の部分をひねって、そこからウイスキーの小瓶を出したという。
「お前も呑まないとインタビューは始まらん」とかなんとか言われたそうだ。
杖にカラクリの仕掛けがあって、そこに酒が隠してあるのだ。
取材から帰ってきてその同僚から聞いた話は、その後原稿になった部分とはまた違った面白さに溢れていた。(というより、とても原稿にして公けにはできない話だ、下品過ぎて!)
ただ、そんな馬鹿話からは、元気そうではあるけど実はそうでもなさそうな深刻さもちょっと伝わってきたことも憶えています。
タリラリラーンのコニャニャチワ
08年8月2日に亡くなり、7日の葬儀でのタモリさんの弔辞には心を打たれた。
あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は重苦しい“意味の世界”から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を断ち放たれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち『これでいいのだ』と。
(タモリさんの弔辞より)
ちなみに、ほとんどの新聞社・放送局がこのタモリさんの言葉の中の
“意味の世界”というところを
“陰(イン)の世界から解放され~”と書いていた。
(タモさんの発音的にはそう聞こえなくもないのだが。。。)
“赤塚不二夫”的なものをこってりと身近に感じて育った人ならば見当が付くように、ここは“イミ(意味)の世界”とするのが正しいと思う。
つまりあの時代に席巻したしたナンセンスギャグのことだろう。赤塚不二夫といえば“意味”から解放された例のナンセンスギャグ(=意味のわからないギャグ)だった。
赤塚不二夫をセンセーと呼ぶのなら、あえてセートと言えそうな世代の一人としては、そう思わずにはいられない。どこかのテレビ局がテロップで「陰の世界~」と出してからは、週刊誌、Webを含むほとんどのメディアが「陰の世界」としているけど、多数が正解とは限らないよなァ。。。
すなわち、「これでいいのだ!」。
by タモリ

赤塚不二夫トリビュート
~四十一才の春だから~
人選、選曲、アレンジ、すべてにおいて優れたトリビュート・アルバム。
サイケデリックノイズテクノ(?)の「きれいなきんたま」など、結構クセになる名曲・珍曲揃い。
NA.NO.DA 電気グルーヴ×スチャダラパー
DISCOVER WAR-自衛隊賛歌 ミドリ(後藤まりこ)※中山千夏のカバー
きれいなきんたま EYE with KABAMIX
逃げろ!ウナギイヌ! ランキン・タクシー&ホワイ・シープ?
モーレツア太郎 筋肉少女帯 HAIR STYLISTICS Remix
特にカッコイイこの5曲のほか、小西康陽、曽我部恵一、NONA REEVESらによるバカボン・カバー曲を含む全15曲収録の1枚。

